サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

今月のインプラント関連の最新論文

2019.09.15-Sun

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


若年者の白色人種における歯肉のバイオタイプと厚みとの関連性
Title :On the relationship between gingival biotypes and gingival thickness in young Caucasians.
Author :Fischer KR, Richter T, Kebschull M, Petersen N, Fickl S.                          
Journal: Clin Oral Implants Res. 2015 Aug;26(8):865-9.


PURPOSE
gingival biotype と歯肉の厚み,歯間乳頭の高さ,付着歯肉の幅の関連性を評価する.


MATERIALS AND METHODS
36名の被験者(男性:19名,女性17名,平均年齢24.9歳)を,歯肉のbitotypeによってthin:18名,thick:18名へと階層化した.biotypeはKanら(2003年)による歯周プローブをもちいたシンプルな審査法に準じた. つまり,歯周プローブを歯肉溝に挿入した際に,歯周プローブの色が歯肉に透過し測定者が識別できる場合はthin,できない場合はthickと識別した.
さらに下記の歯肉の計測を行った.


❶ gingival thickness (GT) :カスタマイズされたキャリパーを歯肉溝に挿入しサルカス底部からの歯肉の厚みを3回測定.
❷ gingival width (GW):歯周プローブをもちいて付着歯肉幅を測定
❸ Papillae Height (PH):歯間乳頭の高さ.模型上で計測
❹ very thin,very thick:thinの中でもっとも少ない6名のGTをvery thin,もっとも大きな6名をvery thickと選定.
biotypeとGT,PHとの関連をノンパラメトリック検定にて評価.
RESULTS
thinとthickを比較した場合,GT,GW,PHの値に統計学的有意差が認められた.
また,very thin, とvery thickとの間にも有意差が認められたが,very thin,very thickを除いた階層での比較においては有意差が認められなかった.

結果の一例 図4より


DISCUSSION & CONCLUSION
若年者の白色人種における歯肉のバイオタイプと,歯肉の厚み,付着歯肉幅,歯間乳頭の高さとの関連性が認められた.


POINT OF CRITICISM
歯周プローブを用いたthinとthickのbiotypeの識別方法には,結局は術者にゆだねられ曖昧さがあり,当然バイアスの余地も大きい.「歯肉からの透過性」も分光測色計を用いたわけでもないので階層化による比較検討が妥当であるのか議論の余地がある.
そもそもが,biotypeの定義が曖昧であるので,本研究は「歯肉のバイオタイプと厚みとの関連性」とのタイトルではなく「プロービングの透過性と歯肉の厚みとの関連性」とすべきではないであろうか?
さらにGTがとくに低いものをvery thin,GTの特に高いものをvery thickと定義したうえで,それぞれを6名選択したのであるから,この階層化においてGTとの関連性を有意検定する意義はいかに?

TOPIC OF CONCERN:6


第4期グローバルプログラム

2019.03.09-Sat

【 池下 侑里 記 】


3月2日、3日にサトウ歯科デンタルインプラントセンター大阪にて
第4期グローバルプログラムが行われました。


3日の最終日にはグローバルプログラムでの集大成、
受講生の先生方による症例発表が行われました。


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10分という短い時間でしたがどの先生方の発表も素晴らしく、
また日高先生が、一人一人にしっかりとアドバイスをくださいました。
日高先生の知識はドラえもんのポケットのように無限で、先生方の疑問を解決されていました。


先生方の素晴らしい症例発表を聞かせてもらえることで
私もとても勉強になりました。


2019030902.jpg


今回で第4期グローバルプログラムが終了いたしました。


第4期受講生の先生方、長期間お疲れ様でした。

今月のインプラント関連の最新論文

2019.01.22-Tue

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


歯間乳頭部の臨床的付着位置による新しい歯肉退縮の分類 –試験的信頼度研究−
Title :The interproximal clinical attachment level to classify gingival recessions and predict root coverage outcomes: an explorative and reliability study
Author :Cairo F, Nieri M, Cincinelli S, Mervelt J, Pagliaro U                       
Journal:J Clin Periodontol 2011; 38: 661–666


PURPOSE
新しい歯肉退縮の分類を,歯間乳頭部の臨床的アタッチメントレベルに基づく方法によっておこない,その信頼度と,分類による根面被覆の達成度の予測値を検討する.


MATERIALS AND METHODS
頬側の歯肉退縮を有する患者を一人の歯周病専門医(筆頭著者)によって集められ,その退縮の状態を下記のように定義された.
・Recession Type 1 (RT1):
歯間乳頭部の歯肉退縮は認められず,また,歯間乳頭部のセメント−エナメル境を近遠心ともに視覚的に観察することが出来ない.
・Recession Type 2 (RT2):
歯間乳頭部の歯肉退縮が認められるが,これらは頬側歯肉のアタッチメントロスよりも少ない
・Recession Type 3 (RT3):
歯間乳頭部の歯肉退縮が認められ,頬側歯肉のアタッチメントロスよりも大きい
なお,二人の評価者によって,それぞれの歯肉退縮が上記のいずれかの分類に振り分けられ,その信頼度を(筆頭著者がおこなったものとあわせて)級内相関係数(ICC) intraclass correlation coefficientsを用いて評価した.
また,全ての症例の,ベースライン時の頬側歯肉の歯肉退縮値,頬側歯肉のアタッチメントレベル,歯間乳頭部のアタッチメントレベル,術後の歯肉退縮の減少量,そして各治療術式を記録し,後ろ向き研究により,術後6ヶ月後の治療結果を評価した.


RESULTS
25名の患者,(平均43.9 ± 11.7歳),合計116部位の歯肉退縮が観察され,治療された.

・新しい歯肉退縮の分類の検者間の信頼性
⇒非常に高い信頼性,検者間でほぼ完全な一致

・RT1-3における歯肉退縮量と根面被覆の達成度
⇒RT1: 74%にて100%の根面被覆,RT3は0%

DISCUSSION & CONCLUSION
歯間乳頭部のアタッチメントレベルに基づく新しい歯肉退縮の分類は,検者間での再現性に優れ,根面被覆術はさまざまな治療術式が行われたにも関わらず,RT1,RT2,RT3の治療結果は一致し,術後の治療予測に役立つことが示唆された.


POINT OF CRITICISM
Millerの分類に変わり,歯肉退縮がMGJを越えることにこだわらず,歯間乳頭下の歯周組織の状態にのみ,その関連付ける考え方である.治療結果との統計学的関連が認められ,単に経験に基づく「概念」としてのMillerの分類よりエビデンスの質はもちろん向上している.しかし,かえって術式の選択,の参考にはならず,あえてMillerのClass2を排除した根拠には明記していない.また,後ろ向き研究故に,交絡因子も疑われる.

TOPIC OF CONCERN 6,12,13    

大掃除&プチ忘年会

2018.12.29-Sat

【 井上 遥 記 】


こんばんは♫
サトウ歯科の2018年最後の診療が終わりました。


今日は午前で診療が終了したので
午後からみんなで1年間の大掃除をしました!


18122901.jpg


みんなそれぞれ持ち場所を決めて
隅々まで綺麗にしました(´꒳`)


受付の水槽もとっても綺麗になりました!
これで新年を迎える準備もバッチリです!


18122902.jpg


大掃除が終わったあとはみんなで琢也先生オススメの
放出駅前の居酒屋で乾杯しました☆


皆さま、良いお年をお迎えください。

今月のインプラント関連の最新論文

2018.12.21-Fri

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


アバットメントの高さと装着の時期が早期のインプラント周囲骨の変化に与える影響:前向きRCT研究
Title :Influence of the abutment height and connection timing in early peri‐implant marginal bone changes: A prospective randomized clinical trial
Author:Tiago Borges,Bruno Leitão,Miguel Pereira,Ágata Carvalho,Pablo Galindo‐Moreno
Journal:Clin Oral Impl Res. 2018;29:907–914.
                   

・35名の患者に68本のインプラントが埋入された.Aグループ:埋入即時で2mmのアバットメント装着,Bグループ:埋入即時で1mmのアバットメント装着,Cグループ:2時オペ時(埋入後8W)に2mmのアバットメントを装着.各グループ間のインプラント周囲骨の吸収をX線にて観察.


・一次手術時にアバットメントを装着する場合と2次手術時に装着する場合とでインプラント周囲骨の変化を比較したところ,有意差は認められなかった.
・アバットメントの高さはインプラント周囲骨に影響を与えなかった.
                                         

2.佐藤 

ショートインプラントとスタンダードインプラントの術後3年の周囲骨の変化と生存率の比較 − RCT多施設共同研究 −
Title :Marginal bone level and survival of short and standard‐length implants after 3 years: An Open Multi‐Center Randomized Controlled Clinical Trial
Author :Zadeh HH, Guljé F, Palmer PJ, Abrahamsson I, Chen S, Mahallati R, Stanford CM.                       
Journal:Clin Oral Impl Res. 2018;29:894–906.
                                             

長径6mmのショートインプラントと,長径11mmのスタンダードインプラントの術後3年時における周囲骨の経時的変化と生存率を,Randomized Controlled Clinical Trialの手法にて比較検討.


・Test群:長径6mm×直径4mmのショートインプラント108本,Control群:長径11mm×直径4mmのスタンダードインプラント101本.インプラント周囲骨の吸収をデンタルX 線画像により計測.


・インプラント周囲の骨吸収は荷重開始3年後にTest群がControl群よりも統計学的有意差を持って大きい結果となった.しかし,その差は臨床的には軽微でショートインプラントを使用した症例においても,スタンダードインプラントと同様の安定したインプラント周囲骨の状態と高い生存率を保つことが示唆された.
                                            

3.三木先生 

インプラント支持の全顎補綴治療の生存率そして生物学的合併症の発生割合に関する12年後ろ向き研究
Title :Implant survival rates and biologic complications with implant‐ supported fixed complete dental prostheses: A retrospective study with up to 12‐year follow‐up
Authors:Panos Papaspyridakos,Thaisa Barizan Bordin, Yong‐Jeong Kim, CatherineDeFuria, Sarah E. Pagni, Konstantinos Chochlidakis, Eduardo Rolim Teixeira, Hans‐Peter Weber
Journal: Clin Oral Impl Res. 2018;29:881–893.

                                      

・無歯顎者に対する全顎的インプラント補綴治療(以下IFCDPs
)の最長12年(平均約5年)観察における生存率と生物学的合併症の発生割合を明らかにする.


・10年間のタフツ大学歯学部病院(TUSDM)に登録された患者52名, 457インプラント無歯顎者を対象にFCDsの受療後6ヶ月毎にパノラマ,デンタルXray撮影による骨喪失レベル, suppuration fistula, modified Plaque Index (mPLI) , Probing depth (PD), Bleeding Index (mSBI)を 測定.また,ceramic IFCDPs (Group 1;n=55) と metal-resin IFCDPs
 (Group 2;n=16)の補綴学的合併症も調査.

・IFCDPs (n=52 )のsurvival rateは 98.7%(平均5.2 年観察). 生物学的な合併症は Group 1 とGroup 2. で有意差なし.10年インプラント周囲粘膜の退縮率;mucosal recession rate は77% (95% CI: 68.2–87.9) , peri-implantitis は20% (95% CI: 16.9–24.9).

今月のインプラント関連の最新論文

2018.11.13-Tue

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。
今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


ショートインプラントとスタンダードインプラントの術後3年の周囲骨の変化と生存率の比較 − RCT多施設共同研究 −
Title :Marginal bone level and survival of short and standard‐length implants after 3 years: An Open Multi‐Center Randomized Controlled Clinical Trial
Author :Zadeh HH, Guljé F, Palmer PJ, Abrahamsson I, Chen S, Mahallati R, Stanford CM.                       
Journal:Clin Oral Impl Res. 2018;29:894–906.


PURPOSE
長径6mmのショートインプラントと,長径11mmのスタンダードインプラントの術後3年時における周囲骨の経時的変化と生存率を多施設で実施されたRandomized
Controlled Clinical Trialの手法にて比較検討する.


MATERIALS AND METHODS
本研究では95名の患者の臼歯部欠損に埋入された209本のインプラント(Osseo Speed, AstraTech)を対象とする.これらは多施設にて一回法のプロトコールにて埋入されるが,事前に無作為にTest群:長径6mm×直径4mmのショートインプラント108本と,Control群:長径11mm×直径4mmのスタンダードインプラント101本に振り分けられた.以後は,
・術後6週間後に暫間補綴装置を装着.
・術後6ヶ月後に最終補綴装置装着.
・術後1年,2年,3年経過時のフォローアップ.
各ステップにおいて,plaque score, probing depth, bleeding on probingを採取し,同時にインプラント周囲骨の吸収をデンタルX 線画像により計測した.


RESULTS
・Test群は105本のインプラントのうち,3本が喪失,インプラントの3年経過時の累積生存率は96.2%.Control群は101本のインプラントのうち,1本が喪失.3年経過時の累積生存率は99%.これらに統計学的有意差は認められなかった.

・plaque score, probing depth, bleeding on probingについてのTest群とControl群とに統計学的有意差は認められず,インプラント周囲炎の発症はTest群で0%,Control群で1.2%であった.
・インプラント周囲の骨吸収は荷重開始3年後にTest群がControl群よりも統計学的有意差を持って大きい結果となった.

fig.4 インプラント周囲骨の経時的変化


CONCLUSION
上下顎の臼歯部にインプラントを埋入する際にショートインプラントを使用した症例においても,スタンダードインプラントと同様の安定したインプラント周囲骨の状態と高い生存率を保つことが示唆された.


POINT OF CRITICISM
周囲骨吸収は3年後で「有意差あり」であるがその差は0.2mm. 確かに臨床的には無視できる範囲とは言えるが,長期的な差については予測しかねる.今回はインプラント歯肉炎,周囲炎の罹患率の低い患者群であったため,より長期かつ難症例でのショートインプラントの有用性についての検討が必要.

TOPIC OF CONCERN 7,17  


今月のインプラント関連の最新論文

2018.09.17-Mon

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


8種の審美-インプラント治療の客観的評価法の信頼性と有効性
Title :Impact of timing on soft tissue augmentation during implant treatment: A systematic review and meta‐analysis
Author :Markus Hof, Nabeel Umar, Nikolaus Budas, Rudolf Seemann, Bernhard Pommer, Werner Zechner                       
Journal:Clin Oral Impl Res. 2018;29:697–706.


PURPOSE
審美-インプラント治療の評価基準(インデックス)の有効性と信頼性を検討し,患者による主観的な満足度との相関を調査する.


MATERIALS AND METHODS
189症例の単独歯・審美-インプラント治療の術後所見を,下記の評価法に従い5人の検者(開業医,補綴医,矯正医,口腔外科医,学生)が,それぞれ2回ずつ採点した.
① PI:The Papilla Index (Jemt, 1997)
② PES:The Pink Esthetic Score (Fürhauser et al.)
③ ICA:The Implant Crown Aesthetic Index (Meijer et al.)
④ IAS:The Implant Aesthetic Score (Testori et al.)
⑤ The Rompen Index (Rompen et al.)
⑥ SES:The Subjective Esthetic Score (Evans & Chen)
⑦ PES/WES:The Pink and White Esthetic Score (Belser et al.)
⑧ CEI:The Complex Esthetic Index (Juodzbalys)

各スコアの度数分布と累積分布関数を検出し,評価者の検者間信頼性(𝜌inter)と検者内信頼性(𝜌intra)を,級内相関係数
(Intraclass-correlation coefficient, ICC)を指標に検証した.また,上記スコアと患者の主観的満足度との関連をVASとの相関の強さにより調査した.


RESULTS
5人の評価者による1890回の客観的評価においてはCEI (̂𝜌inter r = 0.70), PES (̂𝜌inter r = 0.66), PI (̂𝜌inter r = 0.64), IAS (̂𝜌inter r = 0.62) が,検者間信頼性に”possible”とされる0.6の係数を超える結果となった.
すべてのインデックスで検者内信頼性(𝜌intra)は0.7を超え,”fair”と評価されたが,
VASの患者評価と歯科医師のインデックスのスコアとの間には統計学上の相関が得られなかった.(range: r = 0.12 to r = 0.21).


CONCLUSION
各インデックスには同一評価者内での再現性は認められたが,評価者間での妥当性には統計学的に疑問が残った.歯間乳頭の高さ,唇側歯肉の退縮についてはばらつきが少ないが,歯肉の膨隆,色,テクスチャーについては評価者間のまとまりは乏しかった.また,患者の主観的評価が本質的にこれらのインデックスに反映されているとは言い難く,歯科医師との評価に乖離があったことは否めない.


POINT OF CRITICISM
本文中「none of the investigated indices addresses the topic of variable weighting, while common sense dictates that variables may not contribute equally to the overall esthetic outcome.」が印象的である.現状の審美−インプラントの評価基準に改善をもとめる結語であった.

TOPIC OF CONCERN 6,12