サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2009.07.14-Tue

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


Author(s): Esposito M, Murray-Curtis L, Grusovin MG, Coulthard P, Worthington HV
Title: Interventions for replacing missing teeth: different types of dental implants
Source: Cochrane Database of Systematic Reviews, Issue 3, 2009
Key Words: Dental implants, Shapes, Surface Characteristics, Failure, Bone Level


PURPOSE
現在,異なる材料,形態,そして表面性状の歯科用インプラントが使用可能となり,とくに表面性状については多くのインプラントシステムにて独自の改良が図られてきた.本研究はこれらさまざまのインプラントの臨床成績を統計学的に評価するものである(臨床成績に差がないとする帰無仮説の検証).


MATERIALS AND METHODS
データの収集には,Cochrane Oral Health Group's Trials Register,Cochrane Central Register of Controlled Trials,MEDLINE,EMBASEを利用した.また,いくつかの歯科雑誌のハンドサーチも行い,関連する臨床試験の文献やハンドサーチした雑誌以外の研究論文も調査した.未発表や,現在進行中のランダム化比較試験(RCTs)を探すべく,確認されたRCT試験の著者や55以上の歯科インプラントメーカー,インターネットのディスカッショングループより協力を得た.論文検索において言語の制限は行わなかった.Selection Criteria は“少なくとも1年以上の追跡期間のある,異なる材料,形態,表面特性をもつオッセオインテグレーテッドインプラントを比較したすべてのRCT”とした.


RESULTS
40件の異なるRCTが確認された.18種類のインプラントが,1年から5年の間にわたって比較されていた.すべてのインプラントがチタン製であり,異なる形態と表面処理を有していた.様々なインプラントの比較における失敗(生存率)についての有為差は認められなかった. また,粗面性状のインプラントは機械研磨のものと比較して,3年経過時にインプラント周囲炎のリスクが高くなる結果を示し,これは機械研磨されたインプラントが,インプラント周囲炎のリスクを20%減少させることを示唆した.(→結果の詳細は別紙資料を参照)


DISCUSSION & CONCLUSION
エビデンスは限られていたが,RCTの結果より,機械研磨された表面性状のインプラントは,粗面性状のインプラントに比べて,慢性の炎症(インプラント周囲炎)による骨吸収が少ない傾向があった.一方,どんな種類のインプラントも,他に比較して長期に優れているというエビデンスはなかった.これらの研究結果は,比較的短い追跡期間で,症例も少なく,バイアスの危険性の高い,少数のRCTに基づいている.よって,十分な患者数を含む少なくとも5年以上の追跡調査を伴ったより多くのRCTをさらに実施されることが望まれる.