サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2010.11.15-Mon

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


インプラント埋入時における敗血症の発症(CHXの予防投与の効果)
Title :Bacteraemia following dental implants’placement.
Author :A. Pin˜eiroI. Toma´sJ. Blanco M. A´ lvarez J. Seoane P. Diz.                             
Journal: Clin. Oral Impl. Res. 21, 2010 / 913–918.


PURPOSE
インプラント埋入手術後の敗血症の発症と、その経時変化、そしてその原因論を調査することを目的とする.また、敗血症の予防にも期待できるCHXの効果についても検討を行う。


MATERIALS AND METHODS
Control Group 30名, 0.2%CHX Group 20名を被験者とする研究.インプラント埋入を施術される被験者より採血をおこない,
そのサンプルから敗血症を同定する。
手術手技
二回法インプラント埋入手術前に、肘前静脈、あるいは手の甲静脈より10mlの静脈血を採取する。次にインプラント埋入30秒後にも10mlを採取し、さらにフラップの縫合を完全に終えた後の15分後に10mlを採取した。
採取静脈血からの細菌の同定と
採取静脈血は好気性、嫌気性環境下の血液培養のために振り分けられ、Bactec9240を用いてそれぞれのサンプルが培養された。培養され発育した細菌にはグラム染色が行われ、好気性菌、嫌気性菌ともに各種培地にて二次培養を行い、細菌の同定を試みた。
統計
SPSSにて敗血症の発症と、予想される複数の臨床的要因の関連性(あるいは独立性)の検定が行われた。また、コントロール群とCHX使用群とにおける発症の比較はt-検定などを用いて行われた。


RESULTS
コントロール群においての敗血症の発症は、年齢、性別、歯周環境と口腔内環境の状態との間で統計学的な相関は認められなかった。
しかし、その一方でCHX群のサンプルからは敗血症が認められなかったことから、敗血症の予防にCHXが効果的であるとの結果になったが、統計学的にはコントロール群との差に有意差は認められなかった。

DISCUSSION & CONCLUSION
フラップを剥離してインプラントを埋入する施術方法は(他の口腔外科手術と比較しても)敗血症を起こすリスクが低いことが示唆された。したがって、細菌性心内膜炎を予防する意味でのインプラント埋入術前の抗生物質の投与には疑問が残る。一方で統計学的有意差として現れなかったが、0.2%CHXの術前洗口は敗血症の予防に効果的であるというデータが示されたため、これの使用は推薦しうる。


POINT OF CRITICISM,TOPIC OF CONCERN
インプラント埋入手術における細菌のコンタミネーションを静脈血中の細菌同定によって確認しているが、これは手術の成否やオッセオインテグレーションへの影響と直接関連付けられことまではできない。一方で統計学的には差が無いがCHXの効果については興味深い。
Category:10.SPT,16.有病者

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