サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2011.09.16-Fri

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


抜歯後即時インプラント埋入におけるギャップ部へのBio-Oss Collagen填入の効果 ‐犬を使用した埋入後6ヶ月の研究‐
Title :Bio-Osss Collagen in the buccal gap at immediate implants: a 6-month study in the dog.  
Author :Arau´ jo MG, Linder E, Lindhe J.                            
Journal:Clin Oral Implants Res. 22, 2011; 1–8.


PURPOSE
抜歯後即時インプラント埋入における歯槽骨とのギャップ部へ,Bio-Oss Collagenを填入することによる,周囲組織の退縮に対する抑止効果を検討する.


MATERIALS AND METHODS
5匹のビーグル犬の下顎第4小臼歯を抜歯し,同時に抜歯窩にインプラント(Straumann SLA)を埋入.抜歯窩と埋入インプラントとのギャップにBio-Oss Collagenを填入し,(Test群),一方,反対側にはインプラントを埋入するのみでギャップ部への骨補填材の添加は行わなかった(Control群).
6ヶ月後に組織学的標本を作成し,下記のリファレンスポイントを計測して両者の組織形態学的な推移を比較した.


RESULTS
Test群もControl群治癒後の歯間部の骨の位置に大きな変化は認められなかった.
インプラント周囲の頬側歯肉のマージンについては,Test群はインプラントレベルより1.8±0.8mm,Control群では0.8±0.6mm歯冠側に位置していた. また,骨頂についてはTest群でSLAマージにより0.1±0.5mm,Control群では1.3±0.7mm下方に位置していた.また,Test郡ではSLAより1mm下方の骨はすべて吸収されていた.


DISCUSSION & CONCLUSION
抜歯窩即時インプラント埋入のケースにおいて,抜歯窩とインプラントとに生じる空隙にBio-Oss Colagenを填入することにより,インプラント周囲組織の水平的なボリュームは保たれ,さらに歯肉のマージン位置についても,より歯冠側に保たれる結果となった.むしろこのことは,ある程度の“ギャップ”の存在が新生骨が作られる助けとなることを示唆する.

POINT OF CRITICISM
統計処理の全く行われていない研究であり,統計学的にTest群とControl群の両者に差があるかどうかという点については不明である.


TOPIC OF CONCERN
Dr.Kanが引用として好んで用いる論文であり,インプラントが抜歯後の頬側骨の吸収を抑えることが出来ないとの見解を示してきた著者らのグループの研究からは発展があり,臨床的には興味深い内容である.しかし一方で統計処理のなされていない論文であるがため,動物実験であるという以外にも,科学的な価値については疑問が残る研究デザインであることは否めない.

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