サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

<<February 2013 メイン May 2013>>

今月のインプラント関連の最新論文

2013.03.10-Sun

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


2種のアバットメントデザインが周囲歯肉の治癒と歯肉マージンの安定に及ぼす影響
Title :A comparative study to evaluate the effect of two different abutment designs on soft tissue healing and stability of mucosal margins.
Author :Patil R, van Brakel R, Iyer K, Huddleston Slater J, de Putter C, Cune M.                               
Journal:Clin Oral Implants Res. 2013 Mar;24(3):336-41.


PURPOSE
2種のアバットメントデザインが周囲歯肉の治癒とマージン位置の安定に及ぼす影響を症例対照研究によって検討.


MATERIALS AND METHODS
審美領域に二箇所の単独歯欠損部を有する29名の患者に対しに,それぞれに2本のインプラント(Nobel Biocare, Replace)を埋入し,二次外科手術後に頚部の形状の異なる二種類のアバットメントをランダマイズドにインプラントに締結した.

fig1.改編 二種類のアバットメント
左:実験群 右:コントロール群
二次外科手術の止血後に印象採得を行い,また,アバットメント装着後6週後にアバットメントを取り外し,同様の印象採得を行った.また,両者のアバットメント周囲歯肉の緊張度を比較するため,アバットメントの取り外し時にどれぐらいの力が必要であったかをDontrix Gauge(矯正用のElastic forceを測る装置)をもちいて測定した.
なお,採得した印象材は石膏模型に置き換えられ,これらをカメラで撮影し2D化し,校正作業の後にインプラント周囲の歯肉の高さを2Dデータ上で計測した.測定位置は頬舌側の近心,中央,遠心の6点とし,それぞれのアバットメント装着前後の歯肉の形態変化を観察した.また,アバットメント頚部形態の相違とは別に,アバットメントの角度の有無についても同様に周囲歯肉の形態変化との関連について検討した.


RESULTS
・周囲歯肉の退縮量
実験群,コントロール群に有意差なし
・歯肉の緊張度
実験群,コントロール群に有意差なし
・アバットメントの角度の有無
アバットメントに角度を付与したケースは,付与しなかった場合に比較し,周囲歯肉の退縮が有意に認められた.
・定量化することは出来なかったが,視覚的には実験群のほうがコントロール群に比べ歯肉の出血が多いような印象であった.(Fig.8.9)


DISCUSSION & CONCLUSION
本研究ではアバットメントデザインの相違は周囲歯肉の形態変化に影響を及ばさなかった.一方,角度付きアバットメントは周囲歯肉の退縮を招く因子となる得ることが示唆された.


POINT OF CRITICISM
アバットメント周囲歯肉の退縮に関わる因子は多岐に及ぶと考えられるが,これをRCTによって公平化した点はこれまでの記述研究より評価できると考えられる.今回はアバットメント装着後6週後の評価であったが中長期ではどうであろうか?


TOPIC OF CONCERN
6,12