サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2014.03.24-Mon

【 佐藤琢也 記 】

デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。

今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


臨床評価と患者報告アウトカム(PRO)によるインプラント治療時の抗菌薬の効果の評価 -多施設RCT-
Title :Effect of systemic antibiotics on clinical and patient-reported outcomes of implant therapy – a multicenter randomized controlled clinical trial.
Author :Wah Ching Tan,Marianne Ong, Jie Han, Nikos Mattheos, Bjarni E. Pjetursson, Alex Yi-Min Tsai, Ignacio Sanz, May C.M. Wong, Niklaus P. Lang on Behalf of the ITI Antibiotic Study Group               
Journal:Clin. Oral Impl. Res. 25, 2014, 185–193


PURPOSE
臨床的合併症の出現を調査し,また,患者報告アウトカム(PRO)を検証することで,インプラント治療における予防的な抗菌剤の全身投与の効果を評価する.


MATERIALS AND METHODS
多施設にて,通法に従い単独歯欠損部位に対してインプラント埋入が行われる329名の患者をランダムに4グループに割り当て,それぞれに異なる処方を与えた.
1.Positive Control, PC : 術前1時間前に
2gのアモキシリンを予防投与.
2.Test 1, T1 : 術直後に2gのアモキシリンを投与.
3.Tes2, T2 : 術前1時間前に2gのアモキシリンを予防投与し,術後3日まで1500㎎を分3で投与.
4.Negative Control, NC : 術前1時間前に
2gのプラセボ薬剤を投与.

多施設より選抜された検査者は,事前に術後の臨床所見を標準化されるよう示し合わされ,インプラントの術後合併症に関連する診査項目と患者報告アウトカムが調査された.
・合併症の発現の診査項目:術後1週,2週,3週,4週時における疼痛,腫脹,排膿の有無,フラップ閉鎖の達成,インプラントの安定度.
・Visual Analogue Scale (VAS) 法によるPRO : 術後1日目から7日目までの毎日,と2週後の出血,腫脹,疼痛,あざの有無
を患者が記録.

各群間の統計学的有意差は,合併症発現の診査についてはカイ二乗検定,VAS法については分散分析法によって検定された.


RESULTS
術後4週のNC群において有意にフラップ閉鎖の不全が確認されたが,それ以外の指標,また時点において,4群間の合併症の発現に関する臨床所見に統計学的有意差は認められなかった.
また,VASによる患者報告アウトカムについてもすべての時点,指標において統計学的有意差は認められなかった.

Fig.2結果の一例.疼痛と主張の術後経緯


DISCUSION & CONCLUSION
通常の単独歯欠損症例におけるインプラント治療の術前,術後の抗菌剤の予防的投与は患者報告アウトカム,あるいは合併症の軽減に影響を及ぼさないことが示唆された.


POINT OF CRITICISM
治療介入の影響と患者報告アウトカムを評価する実践的で,模範的かつシンプルなRCTと言える.参考すべき点が多々あり研究結果ともにそのデザインが興味深い.

TOPIC OF CONCERN : 17

今月のインプラント関連の最新論文

2014.03.13-Thu

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


臨床評価と患者報告アウトカム(PRO)によるインプラント治療時の抗菌薬の効果 -多施設RCT-
Title :Effect of systemic antibiotics on clinical and patient-reported outcomes of implant therapy – a multicenter randomized controlled clinical trial.
Author :Wah Ching Tan,Marianne Ong, Jie Han, Nikos Mattheos, Bjarni E. Pjetursson, Alex Yi-Min Tsai, Ignacio Sanz, May C.M. Wong, Niklaus P. Lang on Behalf of the ITI Antibiotic Study Group               
Journal:Clin. Oral Impl. Res. 25, 2014, 185–193


PURPOSE
患者報告アウトカム(PRO)と臨床的合併症の出現を調査することで、インプラント治療における予防的な抗菌剤の全身投与の効果を評価する。


MATERIALS AND METHODS
多施設にて通法に従い単独歯欠損部位に対してインプラント埋入が行われる329名の患者をランダムに下記の4つのグループに割り当てた。
1.Positive Control, PC : 術前1時間前に
2gのアモキシリンを予防投与。
2.Test 1, T1 : 術直後に2gのアモキシリンを投与。
3.Tes2, T2 : 術前1時間前に2gのアモキシリンを予防投与し、術後3日までさらに1500㎎を分3で投与。
4.Negative Control, NC : 術前1時間前に
2gのプラセボ薬剤を投与。

多施設より選抜された検査者は、事前に術後の臨床所見を標準化されるよう示し合わされ、下記のインプラントの術後合併症に関連する診査項目と患者報告アウトカムが調査された。

・合併症の発現の診査項目:術後1週、2週、3週、4週時における疼痛、腫脹、排膿の有無、フラップ閉鎖の達成、インプラントの安定度。
・Visual Analogue Scale (VAS) 法 : 術後1日目から7日目までの毎日、と2週後の出血、腫脹、疼痛、あざの有無を患者が記録。

各群間の統計学的有意差は、合併症発現の診査についてはカイ二乗検定、VAS法については分散分析法によって検定された。


RESULTS
9名、12本のインプラントが調査対象より削除。329名の患者、529本のナローインプラントのフォローアップ期間は1-12年で補綴治療終了後、平均3.9年。
観察期間中に9本のインプラントが脱落した。
インプラントの累積生存率は98.5%、累積成功率は91.8%。インプラント周囲骨の変化は年間約0.07±0.2mmであった。
生物学的な合併症として2本のインプラントにPusの浸出、2本のインプラントにFistulaが認められた。
補綴学的な合併症として24本のインプラントにてセメントの溶解、11本にスクリューのゆるみ、8本にポーセレンのチッピングが認められた。

Fig.2累積生存率と成功率


DISCUSION & CONCLUSION
ナローインプラントの累積生存率、成功率は高く、臨床応用において安定した結果を示した。


POINT OF CRITICISM
N数に比較して大臼歯部での合併症の発生が高く、そのあたりの言及が望まれる。

TOPIC OF CONCERN


Club GP×gIDE Global Program Session Ⅶ

2014.03.06-Thu

【 五島友絵 記 】


昨年よりスタートした『Club GP×gIDE Global Program』も
先月(2月22日23日)で第7回目となり、
1日目の土曜日は、勝手ながらに医院は休診とさせていただき、
スタッフ一同午前中の豚実習より
お手伝い兼お勉強をさせて頂きました。


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久しぶりのスタッフ総出での参加でしたが、
回を重ねるごとに、参加されている先生方の緊張感も程よく解けて
コースの雰囲気もよく、和気あいあいとしているのを感じました。


午前中は、琢也先生による骨造成や
サイナス(上顎洞)へのアプローチの仕方など、
EBMと臨床症例を中心に講演され
その後に実際に豚の骨や玉子を用いての実習が行われました。


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午後からは、中島康先生による
『インプラント周囲疾患に対する治療』について
インプラントだけに限らず、天然歯同様に全歯周組織の炎症に対する考え方や
治療アプローチについて、動画や実際の治療前、後の写真を豊富に紹介しながら
講演してくださいました。


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中島先生のお話は何度か講演で聞いたり
本も出版されていて、勉強させて頂いているのですが、
インプラント周囲の炎症に対する治療のデータを豊富に揃えていらっしゃり
炎症の初見で診られる出血にしっかりと着目して
「いかに歯肉炎が悪化するのを食い止めるか」また、
「歯周炎にまで進行してしまったインプラント周囲炎に対する治療アプローチ」
について、いくつか紹介してくださいました。


午後の講義は、どちらかというと私たち衛生士向けのお話で
「メインテナンス時などでの、炎症初見にいかに気づき、患者さんへの意識づけ
そして治療アプローチを行っていくか」
ということを流れを通して講演してくださったので、
とても分かりやすく、知識の整理と再確認ができました。


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また、背筋がピンとなる気がして
明日からの診療にもまた活かせると
歯科衛生士一同、実感した1日になりました。


土曜日の診療では、
学会やこうした勉強会等で休診にさせていただく事もあり
患者さんには迷惑をかけてしまいますが
いつもご協力、ご理解いただき、ありがとうございます。