サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2014.07.15-Tue

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


インプラント周囲の歯肉退縮に対する外科術式.-一年経過前向き研究‐
Title :Surgical treatment of buccal soft tissue recessions around single implants: 1-year results from a prospective pilot study.
Author :Roccuzzo M, Gaudioso L, Bunino M, Dalmasso P.                             
Journal:Clin Oral Implants Res. 2014 Jun;25(6):641-6.


PURPOSE
一回法によって埋入されたインプラントの周囲歯肉が薄いために歯肉退縮が引き起こされたと考えられる症例についての,一つの治療術式についての評価を試みる.


MATERIALS AND METHODS
・被験者
16名の(男性3名,女性12名,平均53±11.7歳)のインプラント患者群:
一回法にてインプラント(Tissue Level Implant, カラーサイズ2.8mm or 1.8mm)を埋入されたが,術後にインプラント周囲歯肉が退縮した症例.
・治療術式
インプラント周囲歯肉の歯肉溝よりパーシャルシックネスにてエンベロップフラップを形成.上顎結節より採取した結合組織をトリミングし,レシピエントサイトに6-0Viclylにて固定.復位したフラップは5-0Viclylにて縫合.
・臨床パラメーター
術後一年経過時に下記の項目を計測
①Recession:歯肉退縮量
②VAS:審美性についての患者満足度をVisual Analog Scale法にて計測.
③BOP
④Probing Depth
⑤FMPS:全顎的なプラークスコア
⑥FMBP:全顎的なBOP


RESULTS
すべての症例において上記の治療術式は成功し,以後のフォーローアップの調査にもすべての患者が応じることとなった.

歯肉退縮部位の回復率:89.6±13.1%
歯肉退縮の完全な回復:16症例中,9症例
① Recession:1.7mm平均で回復
② VAS:4.9上昇
③ BOP:有意差なし
④ Probing Depth:1.4mm平均で深くなる
⑤⑥ FMPS,FMBPともに有意差なし


DISCUSSION & CONCLUSION
インプラント周囲の歯肉退縮についての治療方法として,上顎結節より歯肉を移植する方法は臨床的に有用であることが示唆された.

POINT OF CRITICISM
実験系についてはとても「粗い」デザイン.倫理委員会へのお伺いもなく,計測法もアバウトである.逆に言えば,私たちも同様な研究を行うことができるのでは,という希望を与えてくれる内容の論文である.
インプラント周囲の歯肉退縮をCTGとCPFにて対応する方法は一般的になりつつあるが,その歯肉を上顎結節より採取する方法の報告は皆無であった.治癒後の経過も口蓋から採取する方法とは異なるかもしれない.
ところでVAS法の振れ幅は個人によって大きく異なると考えられるが,これを単純に平均値化することは正しい方法であろうか?


TOPIC OF CONCERN
12,13