サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

<<December 2014 メイン February 2015>>

今月のインプラント関連の最新論文

2015.01.15-Thu

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。

リッジプリザベーションテクニックの組織学的、組織形態計測学的研究.-システマティックレビューとメタアナリシス‐
Title :Alveolar ridge preservation techniques: a systematic review and meta-analysis of histological and histomorphometrical data (pages 50–68)
Author :Eduardo Anitua, Mohammad H. Alkhraist, Laura Piñas and Gorka Orive                            
Journal:Clin Oral Implants Res. 2015 January;26(1):50-68 .


PURPOSE
抜歯後のAlveolar Ridge Preservation Technique(以下ARPs)の効果を,組織学的形態計測による研究結果のメタアナリシスを用いて評価する.


MATERIALS AND METHODS
2012年までに発表されたhuman studyによる英語論文を集積.使用された骨補填材,メンブレンが明記されており,術後3-7ヶ月の治癒期間の後,組織学的研究を行ったもののみを対象とする.
646文献の中から得られた38文献に対してメタアナリシスを行い,Allografts(同種移植骨), Xenografts(異種移植骨), Alloplasts(人工移植骨)を用いたAPRsの治療結果を比較する.その評価方法については,組織形態計測学的手法を用いて新生骨,結合組織,残留骨補填剤の割合を算出し比較.


RESULTS
最も新生骨の割合が高かったのは術後3か月後のAlloplasts(54.4%)であった.一方,新生骨の割合が最も低かったのは術後5か月後のXenografts(23.6%)であった.
結合組織の割合が高かったのは術後7か月後のAllografts(67%)で,術後7か月後のAlloplasts(27.1%)は最も低い割合であった.
骨補填材の残留については,Allografts (12.4-21.1%)にて割合が低く,術後7か月後にて最高率のXenografts(37.1%)とAlloplasts(37.2%)において,統計学的有意差は認められなかった.


fig1 新生骨の割合と経時的推移


DISCUSSION & CONCLUSION
本研究結果より,Allografts, Xenografts, Alloplasts,のいずれがARPsにおいて,組織学的に最良の方法であるかを示唆することはできなかった.しかし一方で,術後早期(3-4ヶ月)とさらなる治癒期間での結果を比較した場合に,新生骨の割合には大きな相違が認めらなかったことから,ARPsの施術については3-4ヶ月以上の待遅期間を必要としないかもしれない.


POINT OF CRITICISM
これまでに報告されてきた研究結果や治癒のセオリーの範囲内の結果と言えるが,Bioactive glass, HA, Polyglycolide Sponge, β₋TCPなどをAlloplastsとして一群に括っていいものかという疑問が生じる.
また,組織学的に新生骨の割合を評価として用いることの妥当性は言えるが,ARPsの本来の臨床的目的は顎堤の保存(歯槽骨の吸収防止)であるから,3群の骨吸収量,あるいは顎堤幅の変化もあわせて検討すべきでなかったかと感じた.


TOPIC OF CONCERN 1, 4