サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2015.03.20-Fri

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。

今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


歯肉の厚みとインプラント周囲の骨吸収との関連性
Title :The influence of mucosal tissue thickening on crestal bone stability around bone-level implants. A prospective controlled clinical trial.
Author :Puisys A, Linkevicius T.                           
Journal: Clin Oral Implants Res. 2015 Feb;26(2):123-9.


PURPOSE
allogenic membrane を用いてインプラント周囲粘膜の厚みを増した後に,インプラント周囲の骨レベルがどのように変化するのかについて観察する.


MATERIALS AND METHODS
97名の患者の下顎臼歯部にボーンレベルインプラント(Straumann)を埋入.全層弁にて剥離した後に一回法インプラントの通法に従い行った.
その際,歯槽堤の歯肉の厚みにより,下記の3グループを分類した.
・T1:歯肉の厚みが2mm以下の患者群
・T2:歯肉の厚みが2mm以下⇒インプラント埋入時にallogenic membraneをもちいて歯肉の厚みを増した患者群
・T3:歯肉の厚みが2mm以上の患者群
埋入2ヶ月後,補綴装置装着後,補綴装置装着後一年のフォローアップ時にインプラント周囲骨の近遠心の骨吸収の変化をX線画像にて計測し,T1-T3の骨吸収量の差をマンフォイットニー検定により測定した.


RESULTS
埋入2ヶ月後,補綴装置装着後,補綴装置装着後一年のフォローアップ時,すべての観察時において,T1とT2,T1とT3の間でインプラント周囲における骨吸収量の差に統計学的な有意差が認められた.
一方,T2とT3についてはすべての観察期間内においてインプラント周囲骨の吸収量に統計学的有意差が認められなかった.
各観察期間における骨吸収量は下記の通り.


結果の一例 table4より

DISCUSSION & CONCLUSION
Thin Biotypeの歯肉と比較して,歯肉の厚みが十分である顎堤に埋入されたインプラントでは,周囲の骨吸収量が統計学的にも微小であることが示唆された.しかし,Thin Biotypeであってもallogenic membraneによる歯槽堤増大術により,骨吸収量を抑えることが可能となった.


POINT OF CRITICISM
インプラント埋入時に全層弁で剥離し,同時に剥離したフラップの骨膜と骨との間にallogenic membraneを挿入するという手法は興味深い.この方法について著者らは,研究デザイン上の利便性ではなく,臨床上もThin Biotypeの顎堤に部分層弁を形成し,歯肉片を移植するのは非常に困難で現実的な臨床手技でないと,その考察で述べている.
骨膜と骨に挟まれた歯肉片は生物学的にどのようにレシピエントサイトと同化するのであろうか?
また,本研究ではX線による骨吸収量の変化だけでなく,CAL Gainなども測定し,各郡の有意差を示してほしかった.

TOPIC OF CONCERN:6