サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

<<October 2015 メイン December 2015>>

今月のインプラント関連の最新論文

2015.11.20-Fri

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


インプラント周囲炎に対する外科治療後のメインテナンス - 5年のフォローアップ‐
Title :Maintenance therapy in patients following the surgical treatment of peri-implantitis: a 5-year follow-up study.
Author :Serino G, Turri A, Lang NP.                           
Journal:Clin Oral Implants Res. 2015 Aug;26(8):950-6


PURPOSE
インプラント周囲炎の治療のために外科処置が行われた患者におけるメインテナンスの効果を評価する.

MATERIALS AND METHODS
合計149本のインプラントが埋入された27名の患者を被験者とし,6ヵ月毎,5年間のリコールを行った.各回には診査や歯肉縁上・縁下に器具が到達できるよう上部構造を一旦除去し,超音波器具と0.12%CHXによる洗浄を行った.この被験者のうち,インプラント周囲炎(PPD:6㎜以上,BOP:+,Pus:+,X線上の近遠心の骨吸収2㎜以上)と診断された場合には,ポケット除去,骨切除,超音波スケーラーによるスケーリング(PiezonMaster/EMS+メタルチップ)とラバーカップによる研磨をおこない,APFを行った.

Table 1改編 インプラント周囲炎の内訳
なお,診査事項は,PI,PPD, Mucosal Recession, CAL, Bone Lossについて.
術後の症状の進行を,CALを指標にインプラント周囲3/4に4mm以上のポケットが残る被験者群と,そうでない被験者群についてフィッシャーの正確検定を用いて評価.また,1本以上のCALの減少が認められるインプラントをもつ患者数を独立変数として,喫煙歴,プラーク,BOP,インプラントの数,残存歯の歯周病の数(6㎜以上のポケット),骨吸収,3/4以上のSite(面)で4mm以上のPPDを有する患者数を従属変数として多重比較検定を行った. 


RESULTS
71本のインプラントに対して外科処置が行われ,149本の5年のフォローアップ期間に2本のインプラントが除去された.インプラント周囲炎の推移は下記のとおり

fig5. インプラント周囲炎の内訳
CALの減少は,有意差をもってインプラント周囲3/4に4㎜以上のポケットが残る被験者群に多く認められた.また多重比較検定においても同様の傾向であったが,PI,PPD, Mucosal Recession, Bone Loss,インプラントの本数,喫煙の有無,歯周病罹患歯の数との間に統計学的な相関は認められなかった.


CONCLUSION
定期的なリコールと専門的な清掃を継続することにより外科的処置を行った後でもインプラント周囲炎をコントロールすることができると示唆された.しかしインプラントを円周状に囲む骨欠損を有する場合には予後に不安が残る.


POINT OF CRITICISM
有意差検定を行うにはN数が少ない.

TOPIC OF CONCERN 6