サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2017.07.15-Sat

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。
今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


インプラントの埋入即時負荷における抜歯即時埋入と待時埋入とのQOLの比較 –5年前向き調査-
Title :Oral health-related quality of life changes after placement of immediately loaded single implants in healed alveolar ridges or extraction sockets: a 5-year prospective follow-up study
Author :Raes S, Raes F, Cooper L, Giner Tarrida L, Vervaeke S, Cosyn J, De Bruyn H.
Journal:Clin Oral Implants Res. 2017 Jun;28(6):662-667.


PURPOSE
審美領域へのインプラント埋入後即時負荷症例において,抜歯後即時にインプラントを埋入した場合と,抜歯窩治癒後にインプラントを埋入した場合との患者QOLの推移の相違を,oral health-related quality of life (OHRQoL)を用いた5年間の前向き調査によって 比較検討する.


MATERIALS AND METHODS
3施設,96名の患者の審美領域にインプラントを埋入し,即時に暫間補綴装置を装着.
その内訳は待時インプラント埋入50人の患者から54本のインプラント(以下,healed ridge群),抜歯後即時埋入の46名の患者から48本(以下,extraction socket群)で合計102本のインプラント.
術後12週後には最終補綴装置がアイオノマーセメントにて合着された.
患者の口腔内QOLをOral health impact profile questionnaires (OHIP-14)を用いて術前,インプラント埋入の1ヶ月後(暫間補綴装着時),6ヶ月後(最終補綴装着時),12ヶ月後に測定した.
※それぞれを(never=0点, very often=4点)とスコア化
上記スコアの経時的な推移,グループ間での比較を線形混合解析にて行った.


RESULTS
5年間のインプラントの生存率は98%.
OHIP-14 score の両群の合算による推移は,術前が0.5,術後には0.17と統計学的に有意に減少した.
healed ridge群,extraction socket群との間には術後5年までは統計学的な有意差が認められなかったが,5年後にhealed ridge群で口腔内QOLがほぼ完全に改善されていたのに対し,extraction socket群ではQOLの改善が前者と比較し,統計学的に有意に劣っていた.

fig3: Extraction socket群の口腔内QOLの変化


DISCUSSION & CONCLUSION
審美領域におけるインプラントの即時負荷は患者の口腔内QOLの改善に寄与するが,現存する歯の代わりとなるインプラントの治療方法は失われた歯の代わりをするインプラント治療方法よりも口腔内満足度が低くなることが示唆された・


POINT OF CRITICISM
患者の主観的なスコアをキャリブレーションなく合算し統計分析することは妥当か?
→独立変数にして事象の評価する妥当性.

TOPIC OF CONCERN : 13