サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2017.09.22-Fri

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。
今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


ラテラルウィンドウアプローチを用いた上顎洞挙上術の際の開窓部の大きさに関する臨床研究 –Split Mouth RCT-
Title :Lateral approach for sinus floor elevation: large versus small bone window - a split-mouth randomized clinical trial.
Author :Baldini N, D'Elia C, Bianco A, Goracci C, de Sanctis M, Ferrari M.
Journal:Clin Oral Implants Res. 2017 Aug;28(8):974-981


PURPOSE
ラテラルウィンドウアプローチを用いて行う上顎洞挙上術の骨開削部の大きさについて、その面積を減少させることで、骨造成量、術後の合併症、患者の満足度などにどのような影響を与えるかを、Split Mouth DesignによるRandomized Control Trialによって評価する。


MATERIALS AND METHODS
上顎臼歯部に両側の部分歯欠損を有し、インプラントを支持するための骨量が十分ではない症例の16名の患者を被験者とする(男性7名、女性9名、平均年齢57.56歳).ラテラルウィンドウアプローチによる上顎洞挙上術を、両側に、同時に一人の術者によって行われ、術後の経過を調査した。

Fig3: 本研究のダイアグラム
Test群:6✕6mm同心円状の“小さな”開窓部のデザイン。メンブレン挙上後に骨補填材を専用の充填器にて填塞。減張切開の後に開窓部に吸収性メンブレン(Bio-Gide)

が設置され、減張切開の部分層弁に吸収性の縫合糸にて固定。
Control群:10✕8mm楕円状の“大きな”開窓部のデザイン。専用の充填器を使用せずに骨補填材を填塞。


RESULT
全ケースで重篤な合併症認められなかった。
・骨造成量:両群間で有意差なし。
・合併症の有無:Test群で2件のシュナイダーメンブレンの穿孔、1件の多量出血。 Control群で4件の穿孔。
・施術時間:上顎洞挙上術全体では両群間に有意差なし。骨の開窓、骨補填材の填塞についてはTest群にて有意に短い施術時間。
・術後腫脹: VAS法による患者満足度調査では7、14、30日後において、Test群にて有意に小さい腫脹との評価。


DISCUSSION & CONCLUSION
上顎洞挙上術の開窓部の面積を減少させることは手術時間の短縮、術式の安全性に影響を与えなかったが、患者の満足度を高めることを可能とした。これはTest群が全層弁を大きく剥離しないで済む開窓部のデザインであったからだと考えられる。


POINT OF CRITICISM
論文中の評価項目だけでは、開窓部の面積減少の優位性をくまなく評価することが困難(?)。結果が「フラップ剥離の面積」ともとも関連するとの考察も腑に落ちない。

TOPIC OF CONCERN :4, 13