サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2018.09.17-Mon

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


8種の審美-インプラント治療の客観的評価法の信頼性と有効性
Title :Impact of timing on soft tissue augmentation during implant treatment: A systematic review and meta‐analysis
Author :Markus Hof, Nabeel Umar, Nikolaus Budas, Rudolf Seemann, Bernhard Pommer, Werner Zechner                       
Journal:Clin Oral Impl Res. 2018;29:697–706.


PURPOSE
審美-インプラント治療の評価基準(インデックス)の有効性と信頼性を検討し,患者による主観的な満足度との相関を調査する.


MATERIALS AND METHODS
189症例の単独歯・審美-インプラント治療の術後所見を,下記の評価法に従い5人の検者(開業医,補綴医,矯正医,口腔外科医,学生)が,それぞれ2回ずつ採点した.
① PI:The Papilla Index (Jemt, 1997)
② PES:The Pink Esthetic Score (Fürhauser et al.)
③ ICA:The Implant Crown Aesthetic Index (Meijer et al.)
④ IAS:The Implant Aesthetic Score (Testori et al.)
⑤ The Rompen Index (Rompen et al.)
⑥ SES:The Subjective Esthetic Score (Evans & Chen)
⑦ PES/WES:The Pink and White Esthetic Score (Belser et al.)
⑧ CEI:The Complex Esthetic Index (Juodzbalys)

各スコアの度数分布と累積分布関数を検出し,評価者の検者間信頼性(𝜌inter)と検者内信頼性(𝜌intra)を,級内相関係数
(Intraclass-correlation coefficient, ICC)を指標に検証した.また,上記スコアと患者の主観的満足度との関連をVASとの相関の強さにより調査した.


RESULTS
5人の評価者による1890回の客観的評価においてはCEI (̂𝜌inter r = 0.70), PES (̂𝜌inter r = 0.66), PI (̂𝜌inter r = 0.64), IAS (̂𝜌inter r = 0.62) が,検者間信頼性に”possible”とされる0.6の係数を超える結果となった.
すべてのインデックスで検者内信頼性(𝜌intra)は0.7を超え,”fair”と評価されたが,
VASの患者評価と歯科医師のインデックスのスコアとの間には統計学上の相関が得られなかった.(range: r = 0.12 to r = 0.21).


CONCLUSION
各インデックスには同一評価者内での再現性は認められたが,評価者間での妥当性には統計学的に疑問が残った.歯間乳頭の高さ,唇側歯肉の退縮についてはばらつきが少ないが,歯肉の膨隆,色,テクスチャーについては評価者間のまとまりは乏しかった.また,患者の主観的評価が本質的にこれらのインデックスに反映されているとは言い難く,歯科医師との評価に乖離があったことは否めない.


POINT OF CRITICISM
本文中「none of the investigated indices addresses the topic of variable weighting, while common sense dictates that variables may not contribute equally to the overall esthetic outcome.」が印象的である.現状の審美−インプラントの評価基準に改善をもとめる結語であった.

TOPIC OF CONCERN 6,12