サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2018.11.13-Tue

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。
今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


ショートインプラントとスタンダードインプラントの術後3年の周囲骨の変化と生存率の比較 − RCT多施設共同研究 −
Title :Marginal bone level and survival of short and standard‐length implants after 3 years: An Open Multi‐Center Randomized Controlled Clinical Trial
Author :Zadeh HH, Guljé F, Palmer PJ, Abrahamsson I, Chen S, Mahallati R, Stanford CM.                       
Journal:Clin Oral Impl Res. 2018;29:894–906.


PURPOSE
長径6mmのショートインプラントと,長径11mmのスタンダードインプラントの術後3年時における周囲骨の経時的変化と生存率を多施設で実施されたRandomized
Controlled Clinical Trialの手法にて比較検討する.


MATERIALS AND METHODS
本研究では95名の患者の臼歯部欠損に埋入された209本のインプラント(Osseo Speed, AstraTech)を対象とする.これらは多施設にて一回法のプロトコールにて埋入されるが,事前に無作為にTest群:長径6mm×直径4mmのショートインプラント108本と,Control群:長径11mm×直径4mmのスタンダードインプラント101本に振り分けられた.以後は,
・術後6週間後に暫間補綴装置を装着.
・術後6ヶ月後に最終補綴装置装着.
・術後1年,2年,3年経過時のフォローアップ.
各ステップにおいて,plaque score, probing depth, bleeding on probingを採取し,同時にインプラント周囲骨の吸収をデンタルX 線画像により計測した.


RESULTS
・Test群は105本のインプラントのうち,3本が喪失,インプラントの3年経過時の累積生存率は96.2%.Control群は101本のインプラントのうち,1本が喪失.3年経過時の累積生存率は99%.これらに統計学的有意差は認められなかった.

・plaque score, probing depth, bleeding on probingについてのTest群とControl群とに統計学的有意差は認められず,インプラント周囲炎の発症はTest群で0%,Control群で1.2%であった.
・インプラント周囲の骨吸収は荷重開始3年後にTest群がControl群よりも統計学的有意差を持って大きい結果となった.

fig.4 インプラント周囲骨の経時的変化


CONCLUSION
上下顎の臼歯部にインプラントを埋入する際にショートインプラントを使用した症例においても,スタンダードインプラントと同様の安定したインプラント周囲骨の状態と高い生存率を保つことが示唆された.


POINT OF CRITICISM
周囲骨吸収は3年後で「有意差あり」であるがその差は0.2mm. 確かに臨床的には無視できる範囲とは言えるが,長期的な差については予測しかねる.今回はインプラント歯肉炎,周囲炎の罹患率の低い患者群であったため,より長期かつ難症例でのショートインプラントの有用性についての検討が必要.

TOPIC OF CONCERN 7,17  


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