今月のインプラント関連の最新論文

【 佐藤琢也 記 】

デンタルインプラントセンター大阪では毎月、インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。
今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。

歯科用コーンビームCTと口腔内スキャナーの真度の比較
Title :Trueness of cone beam computed tomography versus intraoral scanner derived threedimensional digital models: An ex vivo study.
Author :Al-Rimawi A, Shaheen E, Albdour EA, Shujaat S, Politis C, Jacobs R..
JournalClin Oral Implants Res. 2019 Jun;30(6):498-504.

PURPOSE
インプラント治療に用いられる歯科用コーンビームCT-X線装置(cone beam computed tomography:CBCT)と,インプラント治療との親和性の高い口腔内スキャナー(Intra-oral Scanner:IOS)によって得られる3D−デジタルモデルの真度を比較検討.

MATERIALS AND METHODS
欠損歯のないヒト下顎ドライスカル一体をマスターモデルとし,検体に疑似軟組織を装着した状態で,μCT撮影装置(SkyScan)による撮影を行った.つぎに,IOS(Trios)にて検体をスキャンして3D-デジタルモデルを作成し,4種のCT−X線装置(NewTom VGi evo, ProMax 3D, 3D Accuitomo 170 , Green 21, Green 21)の撮影によって得られたデータをSTL fileに変換後,それぞれの3D−デジタルモデルの精度(とくに真度)をμCTによって得られたデータを基準として比較した(それぞれのN=7).なお、検体にインプラントはい埋入されいない。

RESULTS
Figure5:各種CBCTとISOによるデジタルモデルの真度のboxplot
・NewTom VGi evo (110 KV), ProMax 3D (90 kV), 3DAccuitomo 170 (90 kV), Green 21 (110 kV), Green 21 (90 kV) の3D-デジタルモデルはIOSより統計学的に有意に真度が高かった.
・3D Accuitomo 170(70Kv)と and ProMax 3D (70 kV)とISOのモデルとの間に有意差はない.

DISCUSSION & CONCLUSION
CBCTによる3D-デジタルモデルは,IOSによって作成されるモデルより正確であり,デジタル研究用模型の作成においてはIOSが不必要で、インプラント治療においてもCBCTのデータで十分であるかもしれない.

POINT OF CRITICISM
インプラント等の金属のアーチファクトのないモデルで行った解析データによる3Dモデルの比較であるので,これをもってして「CBCTがIOSよりデジタル模型作成において有用である」という理論には無理があるのでは?歯冠部のデータが崩れてしまうのは臨床上の診断にも支障をきたすのではなかろうか?