サトウ歯科 デンタルインプラントセンター大阪

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今月のインプラント関連の最新論文

2013.07.10-Wed

【 佐藤琢也 記 】


デンタルインプラントセンター大阪では毎月、
インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。


今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。


赤外線とLEDを用いたCAD/CAMクラウンの適合性


要約
口腔内光学印象法はセレックシステムによる補綴装置の製作におけるもっとも重要な構成要素の一つである。本研究ではセレックによるセラミッククラウンの製作過程にて、異なる口腔内カメラ、2種類のパウダー、さらには複数の画像キャプチャの撮影手順を行った場合の、クラウンのマージン部と内面の適合を調査する。


実験方法
上顎左側第一大臼歯のオールセラミッククラウンの形成を行ったエポキシレジン製の実習用口腔内模型を、ポリビニルシリコーン印象材によって印象採得した。支台歯には酸化チタンパウダーを機械的に噴霧、もしくはコントラストスプレーを噴霧し、支台歯表面の反射を均一化した。赤外線カメラ( Cerec 3/RedCam unit)とLEDカメラ(Cerec AC/BlueCam unit)がクラウン製作の画像撮影のために用いられ、異なる3種の画像キャプチャの撮影手順により光学印象が行なわれた。その後にそれぞれの実験グループのクラウンがCerec AC (V3.80 software)によって製作された。クラウン作製のミリングにはIPS EMPRESS CADのブロックが用いられた。支台歯形成されたマスター模型とクラウンのマージンと内面の適合評価には20倍のマイクロスコープを使用し、得られたデータは二元配置分散分析により統計分析された。


結果
すべての実験グループにおいて、マージン部の適合、支台歯長軸壁での適合、支台歯咬合面での適合に統計学的有意差(P<0.05)は認められなかった。


結論
実験室における限られた範囲での本研究の結果では、1)赤外線カメラ(RedCam)とLEDカメラ(BlueCam)、2)酸化チタンパウダーとコントラストスプレー、3)支台歯や隣在歯の画像キャプチャの順序の相違が、セレックを用いたCAD/CAMクラウンのマージン部と内面の適合性に統計学的有意差を及ぼさないことが示された。


Keywords:  CAD/CAM、セレック、オールセラミックス、マージンの適合性、内面の適合性


緒言
セレックシステム(Sirona Dental Systems; Bensheim, Germany)により一度の診療機会でセラミック修復装置を作製することが可能となった。臨床における口腔内光学印象法は適合性の高いCAD/CAM修復装置を作製するための重要な構成要素ではあるが、様々な因子がその適合性とデジタル画像のキャプチャの効率性に影響をおよぼすことが考えられる。口腔内カメラのアクセス、カメラの動き、画像数、画像撮影の順序、硬組織と軟組織の反射率、カメラと支台歯との距離など、これら全てがデジタル情報の読み取りに影響を与える因子として挙げられよう。近年、セレックシステムはセレック3Dより赤外線カメラ(RedCam)と青色光を放射するダイオード(LED)カメラ(BlueCam)の二種類を展開している。BlueCam LED は短波長(470 nm)を有し、対してRedCam赤外線光は820 nmの波長である. Mehlらは短波長のBlueCamはRedCamよりも画像解像度が向上したという研究結果を発表し、また、BlueCamの新しいレンズ構造が被写界深度を拡大したとも報告した。この焦点深度の増加がカメラの撮影位置により自由度をあたえることとなった。多くのセレックユーザーがCerec AC/BlueCam unitにアップグレードする一方で、3D/RedCamシステムも未だ多くが臨床使用されている。そしてRedCamとBlueCamにて口腔内光学印象をおこなう際には、酸化チタンの媒体を使用し硬組織と軟組織の反射度を撮影のために均質化する必要がある。推奨される経済的なテクニックとして、酸化チタンパウダーを噴霧器 (Powder Meister, Powder Perfect, Powder Pro) で塗布する方法や、ブタンガスのスプレー缶を持ちいる方法がある。また、新製品のコントラストスプレーがパウダリングのより効果的で簡便な方法として紹介されつつある。
これらのエアロゾルスプレーは酸化チタンをフッ化炭素とともにエタノールに溶解した色素性の懸濁液から生成される。これまでのところ、様々なパウダリングテクニックが修復物の適合に及ぼす影響についてのエビデンスは皆無であるため、本研究ではエアロゾルイメージコントラストスプレーとしてOptispray (Sirona Dental Systems)を取り上げ、酸化チタンCerec パウダー (Vita Zahnfabrik,Bad Säckingen, Germany) を噴霧器(Powder Meister, Powder Meister Inc., Bloomington, IN, USA)で塗布した場合の修復物の適合性度を評価する。
以前より、セレックのベーシックトレーニングプログラムではRedCamを用いた口腔内のデータ収集においては特定の画像から順にキャプチャすることを推奨してきた。先ず最初に窩洞形成部の画像を撮影する。つまり、支台歯形成された歯を窩洞形成の着脱方向に沿って撮影していく。次に支台歯形成された歯の遠心隣在歯を撮影し、続いて近心隣在歯の撮影を行う。この撮影方法により3歯-モデルが作製され、この方法により模型との適合性が向上するとされてきた。
一方で、あらたな画像撮影法の手順がLEDカメラにおけるBlueCamの改善によって提案されている。ひとつには支台歯形成の着脱方向にとくにとらわれないキャプチャの方法である。模型はその際、デザインの過程では着脱方向にそって位置づけられる。さらに他の方法として、支台歯のカントウゥアの高さより低い位置のデータをキャプチャするために頬側あるいは舌側に角度をつけて追加の画像を撮影する方法が挙げられる。
しかし、これまでのところイメージングパウダーの選択や、従来の方法とは異なる画像の撮影により、ミリングされた最終補綴装置の適合性に及ぼす有意性を調査したエビデンスはない。そこで本研究では模型実験により、RedCamとBlueCam、パウダリング、撮影方法の違いが、チェアサイドで作製されるCAD/CAMクラウンのマージン、内面の適合性にどのような影響を与えるかを調査することをその目的とした。

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